第3回:姿勢とコア安定性 ― 深層筋がつくる動作の基盤

■ なぜ姿勢が崩れるのか

姿勢の崩れは、単なる「猫背」や「反り腰」という見た目の問題ではありません。

その多くは、深層筋(インナーユニット)の機能低下から始まります。

腹横筋・多裂筋・骨盤底筋・横隔膜。

これらの筋群は、体幹を“内側から支える”安定装置です。

どれか一つでも働かないと、身体は外側の筋肉(アウター)で無理に支えようとし、

結果として姿勢や動作が崩れていきます。

■ コアの役割は「固める」ことではない

多くの人が「体幹を鍛える=お腹を固める」と考えがちですが、

実際のコアの役割は“動きの中心を安定させること”にあります。

つまり、力を入れ続けるのではなく、

動きの中でブレない軸を保つことが重要。

そのためには、姿勢と呼吸の連動、

そして“脱力と安定”の切り替えが欠かせません。

■ 安定性を生む3つのポイント

1️⃣ 骨盤の中立位

 骨盤が前後に傾くと、体幹筋の働く角度が崩れる。

 中立を保つことで、腹圧と背部筋がバランスよく働く。

2️⃣ 肋骨と骨盤の位置関係

 肋骨が開きすぎると腹圧が抜け、

 逆に潰れすぎると呼吸や動作の自由度が落ちる。

 “肋骨の蓋が骨盤の上に乗る”イメージが理想。

3️⃣ 四肢との連動

 コアは四肢の動きを支える“土台”。

 コアが安定すると、肩・股関節の動きがスムーズになり、

 全身の力が効率的に伝わる。

■ 実践ドリル例

デッドバグ:体幹の安定を保ったまま四肢をコントロール プランク+リーチ:安定したコアの上で四肢を動かす練習

ヒップリフト+アームリーチ:骨盤と胸郭を連動させる

これらの動作では、「どこで支えているか」を意識することが大切。

筋力よりも安定の質を高める意識で行います。

■ Functional Training Systemにおける位置づけ

FTSでは、姿勢とコア安定性をフェーズ2として設定しています。

フェーズ1(滑走性)で“動ける状態”をつくったあと、

フェーズ2ではその動きを安定させる基盤を構築。

この段階がしっかりできていないと、

どれだけ動きを鍛えても、力は発揮されません。

■ まとめ

姿勢が安定することで、動きは自由になる。

コアを整えることは、全ての動作を支える“基礎工事”である。

次回は、動作効率をさらに高めるための「重心コントロール」について解説します。

Functional Designs 元麻布

見山明(理学療法士/トレーナー)

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