■ なぜ姿勢が崩れるのか
姿勢の崩れは、単なる「猫背」や「反り腰」という見た目の問題ではありません。
その多くは、深層筋(インナーユニット)の機能低下から始まります。
腹横筋・多裂筋・骨盤底筋・横隔膜。
これらの筋群は、体幹を“内側から支える”安定装置です。
どれか一つでも働かないと、身体は外側の筋肉(アウター)で無理に支えようとし、
結果として姿勢や動作が崩れていきます。
■ コアの役割は「固める」ことではない
多くの人が「体幹を鍛える=お腹を固める」と考えがちですが、
実際のコアの役割は“動きの中心を安定させること”にあります。
つまり、力を入れ続けるのではなく、
動きの中でブレない軸を保つことが重要。
そのためには、姿勢と呼吸の連動、
そして“脱力と安定”の切り替えが欠かせません。
■ 安定性を生む3つのポイント
1️⃣ 骨盤の中立位
骨盤が前後に傾くと、体幹筋の働く角度が崩れる。
中立を保つことで、腹圧と背部筋がバランスよく働く。
2️⃣ 肋骨と骨盤の位置関係
肋骨が開きすぎると腹圧が抜け、
逆に潰れすぎると呼吸や動作の自由度が落ちる。
“肋骨の蓋が骨盤の上に乗る”イメージが理想。
3️⃣ 四肢との連動
コアは四肢の動きを支える“土台”。
コアが安定すると、肩・股関節の動きがスムーズになり、
全身の力が効率的に伝わる。
■ 実践ドリル例
デッドバグ:体幹の安定を保ったまま四肢をコントロール プランク+リーチ:安定したコアの上で四肢を動かす練習
ヒップリフト+アームリーチ:骨盤と胸郭を連動させる
これらの動作では、「どこで支えているか」を意識することが大切。
筋力よりも安定の質を高める意識で行います。
■ Functional Training Systemにおける位置づけ
FTSでは、姿勢とコア安定性をフェーズ2として設定しています。
フェーズ1(滑走性)で“動ける状態”をつくったあと、
フェーズ2ではその動きを安定させる基盤を構築。
この段階がしっかりできていないと、
どれだけ動きを鍛えても、力は発揮されません。
■ まとめ
姿勢が安定することで、動きは自由になる。
コアを整えることは、全ての動作を支える“基礎工事”である。
次回は、動作効率をさらに高めるための「重心コントロール」について解説します。
Functional Designs 元麻布
見山明(理学療法士/トレーナー)















