腰部椎間板ヘルニアとトレーニング

こんにちは!『FUNCTIONAL DEZAINS元麻布』の見山(理学療法士/トレーナー)です。

広尾・六本木駅徒歩圏内のパーソナルトレーニングジムで指導しています。

今回は腰部椎間板ヘルニアとトレーニングについて書いていきたいと思います。

病態の理解を深めてご自身のコンディショニングに活かしていただければ幸いです。

椎間板ヘルニアとは

基本的には体幹の屈曲動作(前に身体を屈む動作)などで椎間板が変性し中心部の髄核が流出して痛みや神経症状をきたす疾患です。

斎藤昭彦ら 腰痛・骨盤領域の臨床解剖学 腰痛の評価・治療の科学的根拠 p13 エルゼビアジャパン

上記の写真だとNP=髄核、AF=繊維輪を表わしています。

椎間板とは脊柱(背骨)の間にあるクッションのことでその内容物が髄核と繊維輪になります。

日常の姿勢や動作の中で腰に負担がかかり椎間板の繊維輪が断裂等の変性を起こし、そこから髄核が脱出・膨隆して神経にダメージを与えるのが腰部椎間板ヘルニアの実像です。

腰部椎間板ヘルニアになりやすい姿勢

・前方頭位(頭が前に出ている)

・猫背

・骨盤が後傾している

腰部椎間板ヘルニアになりやすい動作

・前にかがむ

・しゃがみ込む

・もの持ち上げる

実際に臨床やトレーニングで対応する事例としては、

①腰部椎間板ヘルニアが主症状

②下肢の神経症状がなく腰痛のみ

③腰痛は臀部(お尻周囲)の痛みのみ

の3パターンに大別されるイメージです。

腰部椎間板症の診断があっても100%がヘルニアが原因になっているわけでもありませんし、画像所見で椎間板の変性がみられても、それがそのまま痛みと相関する訳ではありません。

著者:james earisら 監訳:赤坂清和ファッシャル・リリース・テクニック 身体構造のバランスを整える筋膜リリース技術 医道の日本社p118

筋の痛み、臀部の筋肉下での坐骨神経の滑走障害の可能性も含めて考える必要があります。

手術で治ろうと筋膜リリース・マッサージで治ろうと姿勢や動作含めた自身のパフォーマンスが改善されなければいずれまた二次的三次的な痛みが発現します。

2.腰部椎間板ヘルニアと体幹の動き

腰部椎間板ヘルニア=坐骨神経痛のイメージですが、坐骨神経は末梢神経といわれ脊柱管(背骨の中の神経が通っているトンネル)を通る脊髄神経から枝分かれしたものです。

その坐骨神経に分岐する部分で椎間板の髄核による侵襲や、他部位での牽引ストレスなどにより坐骨神経痛にかかるダメージが増幅されます。

脊柱屈曲位では伸展位よりも脊柱管は5-9㎝長く、正常な機能を維持するには脊柱管内部の構造はその変化に適応しなければならない。

著者David s. Bbutler:バトラー神経系モビライゼーション 2000,協同医書出版社

また、腰部椎間板ヘルニアは両脚の神経痛がみられることは少なく、片側の脚に神経痛が出現することがほとんどです。腰の痛みは帯状にみられることが多いです。

体幹を前屈させた時は症状が顕著ですが、体幹を側屈(横に傾ける)した際に神経痛がみられることがあります。

鈴木貞興ら 理学療法25-5 2008年5月

上の図のようにヘルニアが発現した部分によって、どちらに側屈して症状が出るのかが変わります。

自身の身体の特性や、病態の特性に合わせてトレーニングプログラムを作成することが重要です。

腰部椎間板ヘルニアのセルフトレーニングポイントは下記の3つです。

①股関節の後方にある筋肉の柔軟性改善(ex:ハムストリングストレッチ)

②脊柱の伸展可動性(背中を反る動きの柔軟性)の改善

③骨盤の前傾と脊柱の伸展を組み合わせた運動やそのポジションを維持するトレーニング

腰部椎間板ヘルニアの診断をされても、しっかりと自身に必要な機能を高めて、さらにからのコンディションを成長させながら改善していけると嬉しいなと思います

ご質問やご相談ございましたらお気軽にご連絡ください。

長い文章でしたが最後までご拝読いただきありがとうございました。

『FUNCTIONAL DEZAINS 元麻布』

広尾・六本木駅徒歩圏内

見山 明(理学療法士/トレーナー)

miyamaakira0803@yahoo.co.jp

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