こんにちは!『FUNCTIONAL DEZAINS元麻布』の見山(理学療法士/トレーナー)です。
広尾・六本木駅徒歩圏内のパーソナルトレーニングジムで指導しています。
今回は腰椎分離・すべり症の対応方法について書いていきたいと思います。
本日の流れ
①腰椎分離・すべり症について
②腰椎分離・すべり症とセルフエクササイズ
腰椎分離・すべり症の理解を深めて、ご自身のコンディショニングに役立ていただければ幸いです。
1.腰椎分離・すべり症について
腰椎分離症は、比較的若年層かつスポーツ動作の反復動作などが機転になり受傷するイメージが多いかもしれません。
しかし運動を行っていなくても、姿勢不良や誤った動作の反復でも受傷することが多々あります。
腰椎分離症は、関節突起間およびその周辺の繰り返し負荷による疲労骨折が原因として考えられている。
スポーツ選手による腰椎分離症の発生率は8~15%あり、一般人と比べてやや高く、発生頻度は1.1~1.2倍とされている。
鈴川仁人ら『腰椎分離・すべり症に対する的確な臨床推論ポイント』理学療法2011.vp28
腰椎分離症は年代ごとに症状レベルが変化していきその過程ですべり症を罹患していく流れになります。
どの段階でもレントゲン像=腰痛・下肢の神経痛の強さではないですが、なるべく早い段階からリハビリやトレーニングを行いコンディションを改善していくことが大切です。
20歳未満ではすべり症の合併頻度は低く、自覚症状も腰痛が主で、下肢症状の合併例は少ない。
20~40代にかけてはすべり症の頻度は加齢に伴い増加している。しかしすべり症の増加は認められず、この時期はすべり症の発生期と考えられる。
50-60代にかけては、すべり症の頻度、すべり度ともに増加する。この時期はすべり症の進行期ともいえ、下肢症状合併例の頻度も最大となる。
70代以降はすべり度の進行が停止し、それに伴い下肢合併症の頻度も減少するが、腰痛は維持しており、この年代の腰痛はすべり症以外の腰痛が考えられる。
菊地臣一 『腰痛』 2003年 医学書院
というように腰椎分離症時点では腰痛がメインで関節痛あるいは筋肉の痛みが主であると考えられる。
分離症が進むにつれて、すべり症に移行し神経症状からくる下肢症状の併発にグレードが上がり、最終的にはすべり症の症状がおさまる。そしてその姿勢や動作に伴う二次的・三次的な痛みをきたすことになります。
では腰椎分離・すべり症をきたす原因は主にどのような動作なのでしょうか…
それは『伸展(腰を反らす動作)』と『回旋(腰を捻る動作』の二つです。
腰椎分離・滑り症の発生メカニズムとして有限有素法による研究において、体幹の伸展及び回旋運動で関節突起間部への負荷が増大することが示された。
鈴木仁人ら「腰椎分離・すべり症に対する的確・迅速な臨床推論のポイント」理学療法2011.1vol28 no1
ここに書かれているのは腰を反ったり捻ったりすると、その動きの中で骨に負荷がかかるということです。
その反復ストレスにより、骨自体に異常をきたし腰椎分離・すべり症が発生します。
腰椎分離・すべり症と診断された方は姿勢や動きを改善してこの負担を減らす必要があります。
伸展を制限する因子。通常後方矢状回旋は棘突起間の衝突により制限されるが、椎弓板の下関節突起の衝突により制限されることもある。
腰椎の軸回旋では椎間板の捻れと椎間関節の衝突が起こる。
斎藤昭彦 腰椎・骨盤領域の臨床解剖学2008 エルザビアジャパン
腰を反らす動作に対しては、股関節・胸椎・胸腰椎移行部、仙骨(骨盤)の柔軟性や動きを出すことで負担を減らします。
腰を捻る動作については、股関節・胸椎・頸椎・骨盤などの柔軟性や動きを出すことで負担を減らすことが重要です。
それではその柔軟性や動きはどう改善していけば良いのでしょうか?
今回は比較的簡単なストレッチとエクササイズを3つご紹介します!
2.腰椎分離・すべり症とセルフエクササイズ
①90/90ストレッチ
上になっている膝を90°をおへその高さに引き上げる。それを維持した状態で上側の肩を開いていく。この時肩とともに肋骨まで動かすイメージを持つ。
5秒伸ばして戻る5回ずつ。

②梨状筋ストレッチ
股関節・骨盤の動きを改善する
10秒×3回ずつ

③シングルブリッジ
股関節伸展させて腰が反る負担を緩和する。
8回×2セット

自分の体調に合わせて無理ない範囲で試してみてください。
腰椎分離・すべり症は結果として診断名でついていますが、ここに至る過程や身体の特性は人それぞれ違います。それに合わせて機能を改善し、痛める前よりも成長した身体で今後の人生を歩めるようにサポートしていきたいと思います。
ご質問やご相談ございましたらお気軽にご連絡ください。
長い文章でしたが最後までご拝読いただきありがとうございました。

『FUNCTIONAL DEZAINS 元麻布』
広尾・六本木駅徒歩圏内
見山 明(理学療法士/トレーナー)
miyamaakira0803@yahoo.co.jp